iDeCoは海外移住・赴任しても続けられる?解約や運用指図者も解説のサムネイル画像

iDeCoは、税制優遇を受けられる老後資金準備の方法として人気を集めています。掛金が全額所得控除の対象になり、運用益が非課税になるなど、多くの人にとって魅力的な制度です。

しかし、iDeCoに加入している方や加入を検討している方の中には、海外移住を考えた際にiDeCoをどうすればよいのか、継続してメリットはあるのか不安を感じる方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、「iDeCoと海外移住の関係性」や「海外移住時のiDeCoの取り扱いと注意点」を中心に解説します。

iDeCoに加入しているが、海外移住を考えており、どうすればよいか知りたい
海外移住をしても、メリットがあるならiDeCoを継続したい

と悩む方は本記事を参考にすると、iDeCoと海外移住に関する不安を解消する方法がわかるうえに、グローバルな視点での資産形成戦略を立てるうえでも役立つ情報を得られます。

内容をまとめると

  • iDeCoは海外赴任・海外移住後も条件を満たせば継続可能だが、解約は難しいため、状況に応じて掛金の減額や積立の停止などの対策を検討する必要がある
  • 継続する場合は、必要な手続きと書類の提出が求められるため、事前に詳細を確認し、準備することが重要
  • 海外赴任・海外移住に伴い、iDeCoを含めた資産形成の方針を見直す必要があるが、個人で適切な判断を行うのは困難な場合が多い
  • そのため、iDeCoのプロへ「無料で何度でも」資産形成に関する総合的な悩みを相談できる「マネーキャリアを利用する人が増えている

監修者「井村 那奈」

監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
>> 井村 那奈の詳細な経歴を見る

この記事の目次

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海外赴任・海外移住をしたらiDeCoはどうなる?


海外赴任・海外移住をしても、条件を満たして必要書類を提出すれば、基本的には継続できます。


ただし、海外移住中にはiDeCoのメリットである所得控除の効果が得られません。他にも、海外口座から掛金を入金すると送金手数料がかかる、受取時の節税効果が得られないなどのデメリットがあります。


そのため、継続するかはメリット・デメリットの両方を把握したうえで決定しましょう。

海外移住をしてもiDeCoは継続できますが、掛け金の所得控除や受取時の退職所得控除の効果は消滅してしまいます。


また、海外からの送金手数料、為替リスクいうデメリットを理解したうえで、継続を検討しましょう。


iDeCoは老後のための資産運用であり、60歳まで引き出しや解約はできないため、継続する際の注意点や対処法を知って最適な手段を取る必要があります。


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条件を満たせば継続できる


海外赴任・海外移住をしても、条件を満たせばiDeCoは継続できます


▼iDeCoを継続する条件

被保険者種別具体的なケース例iDeCoを継続する条件
第1号被保険者無職
学生
国民年金の任意加入
第2号被保険者会社員厚生年金の加入
第3号被保険者専業主婦扶養者が第2号である


「第1号被保険者のとき」、原則として海外移住の際はiDeCoも契約できなくなります。しかし、国民年金に任意加入することで、iDeCoの継続利用ができます。


国民年金に任意加入せずiDeCoの加入資格を喪失した場合は、所定の手続きを行うことで「運用指図者」としてすでに口座にある資金の運用のみできます。


「第2号被保険者のとき」、企業型DC(企業型確定拠出年金)と同様に継続できますが、厚生年金から外れるとiDeCo加入資格は喪失します。


「第3号被保険者(第2号の扶養者) のとき」、第2号被保険者に扶養されている間は、iDeCoを継続できます。夫が第2号被保険者でなくなったので、妻も第3号被保険者ではなくなるといった場合は、iDeCo加入資格は喪失します。

海外移住のときも、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者は各種別ごとに条件を満たせばiDeCoの継続はできます。



かりに条件を満たさない場合はiDeCoの加入資格を喪失し、「運用指図者」として口座にある資金運用のみを行います。


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解約するのは難しい


iDeCoは原則として、60歳まで解約(中途解約・払戻)はできません。 

また、例外として脱退一時金の制度がありますが、脱退一時金を受け取れるのは以下の条件をすべて満たしたときのみです。

▼iDeCoの中途引き出し(=脱退一時金の受給)の条件
  1. 60歳未満である
  2. 企業型DCの加入者でない
  3. iDeCoに加入できない
  4. 障害給付金の受給権者でない
  5. 通算の掛け金拠出期間が5年以下または資産額が25万円以下 
  6. 最後の企業型DCまたはiDeCoの加入資格喪失から2年以内
「iDeCoの加入期間が短い」「国民年金保険料を支払えない程に収入が少ない」といった事情を持つ人だけが、iDeCoの途中解約を認められているとわかります。

したがって、海外赴任・海外移住を理由とした途中解約や、脱退一時金の受け取りは現実的ではないと言えます。 

継続と解約どちらにすべきなのか


海外赴任・海外移住をするとき、iDeCoは継続と解約のどちらを選ぶべきか悩んでいる方は、継続するのがおすすめです。


そもそもiDeCoでは、海外赴任・海外移住を理由とした解約・脱退一時金の受け取りは難しいです。そのため、特別な事情がある場合を除いて、継続するしかないありません。


また、海外移住しても継続したとき、iDeCoの税制優遇の一部が受けられないなどデメリットがあります。デメリットを許容できるか判断しましょう。


▼【海外在住時】iDeCoの税制優遇の可否

タイミング税制優遇海外在住時
積立時掛金が全額所得控除×
運用時運用益が非課税
受取時退職所得控除・公的年金等控除×


海外移住すると、iDeCoの税制優遇のうち、積立時・受取時の税制優遇効果は得られません。そのほかにも、以下のようなデメリットがあります。


▼海外移住しても継続した場合のデメリット

  • 所得控除の効果がない
  • 送金手数料や為替リスクが伴う
  • 海外居住中に受け取っても日本で課税される
  • 積立の有無に関わらず、iDeCoの手数料は発生し続ける
海外から日本の金融機関へ掛金を送金する際、送金手数料や為替リスクが伴います。また、海外在住中に60歳になって引き出す場合、海外の税制を反映させられず日本で課税されることになり、一時給付金や年金には20.42%が源泉徴収されてしまいます。 

継続したとしても、掛金の減額・積立の中止によって、解約と同等の対処ができます。継続中ではあっても実質的な解約状態にも変更できるのでおすすめです。

海外移住時は、iDeCoのメリットである積立時と受取時の税制優遇効果は得られません。


また送金手数料や、為替リスク、受取金に20.42%の源泉徴収がかかるデメリットがあります。


しかし、「iDeCoは60歳まで解約できない」ことへの解決策に減額・積立の停止などの方法があります。


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iDeCoで海外赴任・海外移住をするときに解約の代替策はある?


iDeCoで海外赴任・海外移住をするとき、解約や脱退一時金を受け取ることは困難です。そこで、解約の代替策として、掛金の減額と積立の停止があります。


解約に比べて、簡単な手続きで済むことからも、実行する際の流れをチェックしておきましょう。

原則として60歳までiDeCoは解約できませんが、減額なら最低積立金(5千円)まで掛け金を減らせます。(口座維持費に毎月66円が必要)


「加入者掛金額変更届」を金融機関から取り寄せて、書類提出後の1~2ヵ

停止は「加入者資格喪失届」を提出すると、掛け金の引き去りは止まり、毎月の口座管理手数料66円のみがかかります。



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掛金の減額


iDeCo加入者は、希望するタイミングで掛金の減額ができます。


ただし、最低でも月5,000円を拠出する必要があるうえ、掛金の変更は1年に1回までなので注意しましょう。 


▼iDeCoの掛金変更の手順

  1. iDeCoがある金融機関から「加入者掛金額変更届」を取り寄せる
  2. 変更後の掛金の金額など、必要事項を記入
  3. 記入した書類を金融機関へ提出 
▼加入者掛金額変更届の記入例


掛金の変更は書類の提出から、1~2カ月後に適用されます。海外赴任・海外移住をしても、iDeCoの掛金を減額すれば、自身の生活状況に合わせた運用ができます。

積立の停止


iDeCoの加入者は、希望するタイミングで積立の停止ができます。


掛金の積立を停止している間は、これまでの「加入者」から、掛金の拠出はせずに積立金の運用のみ行う「運用指図者」に変わります。


▼iDeCoの積立停止の手順

  1. iDeCoがある金融機関から「加入者資格喪失届」を取り寄せる
  2. 加入者から運用指図者に変更する旨を記入
  3. 記入した書類を金融機関へ提出
▼加入者資格喪失届の記入例


積立の停止は書類の提出から、1~2カ月後に適用されます。また、iDeCoの積立を停止すれば、生活費が確保できない心配は不要です。

ただし、掛金を拠出していなくても、口座管理手数料の最低月66円はかかり続けるため注意が必要です。

加入者と運用指図者には次のような違いがあります!
  • 加入者:iDeCo口座に掛金を毎月拠出している人
  • 運用指図者:新たに掛金を拠出することなく、保有する資産の運用のみ続ける人

運用指図者が再び掛金を拠出できるようになった場合は、所定の手続きを経て加入者に戻れます。

加入者と運用指図者の手数料の違いについて知りたい方におすすめのサムネイル画像

iDeCoの手数料はいくら?手数料負けしない金額・方法を解説

海外赴任・海外移住をしてもiDeCoを継続するときの手続きは?


海外への住所変更は、iDeCoの掛金拠出状況や海外移住後の国民年金被保険者種別により選択肢が異なります。


海外への住所変更は、届出住所を以下の2つから選択できます。

  1. 国内の家族住所を連絡先として届出する
  2. 海外の本人実住所を届出住所とする
ただし、以下に該当する方は、②海外の本人実住所を届出住所を選択する必要があります。
  • 国民年金の加入義務の適用対象外となるが、国民年金に海外居住の任意加入被保険者として加入し国民年金保険料を納付するとともに、iDeCoにも任意加入被保険者として加入し掛金拠出を継続する方
  • 帰国した外国人で、日本国内にiDeCoの連絡先となる家族(実家や実家など)がいない方

iDeCoを海外移住後も継続する場合、住所を変更する手続きが必要です。氏名が変わるときは、金融機関の届出のほか、国民基金連合会への手続きも忘れずに行いましょう。


しかし、海外でiDeCoを活用するなら総合的な判断をするために資産運用の専門家であるFPの力を借りるのは賢い選択です。


また、iDeCoを含めた海外の効率的な資産運用を自分で考えるのは難しく、3,000人の中から独自のスコアロジックで選ばれたFPのみ対応するマネーキャリアの【iDeCoの無料相談窓口】に相談する人も増えています。


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手続きの流れと必要書類


手続きに必要な書類(加入者等氏名・住所変更届)や記入要領はPDFを印刷して、使用します。


PDFを印刷できない場合は、加入先の金融機関に連絡し、郵送で取得しましょう。急ぎの場合は、コンビニエンスストアのプリントサービスで印刷します。


次のような場合、国民年金基金連合会への手続きが必要です。

  • 住所・氏名が変わった(金融機関の手続とは別にiDeCoの手続が必要)

掛金の納付をしている加入者の方で、

  • 国民年金の被保険者の種別が変わった
  • 勤務先が変わった。(就職・転職・退職)
  • 勤務先の企業年金制度が変わった、始まった、終了した
  • 国民年金付加保険料・国民年金基金掛金を変更した
  • 国民年金の免除条件が変更になった
掛金の納付が停止されている方で
  • 掛金の納付を再開したい

必要な書類は、国民年金基金のホームページからPDFで印刷します。

手続きにあたっての注意点


手続きをするとき、「国内に住む家族の住所を連絡先として届出する場合」と「海外に住む本人の実住所を届出する場合」に分けて以下のような注意点があります。


▼国内に住む家族の住所を連絡先として届出する場合

  • 国内に住む家族の住所を連絡先として届出できるのは、海外移住後も国民年金第2号被保険者(日本企業の会社員)、第3号被保険者(日本企業の会社員の被扶養配偶者)、iDeCo運用指図者(掛金拠出していない人)
  • 国民年金基金連合会や記録関連運営管理機関からの通知類は届出された国内連絡先である家族住所宛に送付される
  • 記録関連運営管理機関からの通知には、取引状況のお知らせや加入者サイトのログインパスワードが失効した場合の再発行された初期パスワードの通知など重要な通知が含まれる
  • 国内連絡先となる家族と姓が異なる場合は、住所の末尾に国内連絡先の家族宅の姓を様方表記にて記載が必要

▼海外に住む本人の実住所を届出する場合
  • 国民年金基金連合会や記録関連運営管理機関からの通知類は「加入者等氏名住所変更届」の海外居住者情報の「連絡先住所」に記載された住所と届出者氏名の組み合わせで送付される
  •  住所表記は海外居住者情報の「連絡先住所」は滞在国で配達できるよう滞在国の言語で表記が必要
  • 届出した「連絡先住所」が封筒宛名に謄写されるので明瞭に記載する必要があり、名宛人表記は「届出者氏名」が日本語(漢字)で表記される
  • 小規模企業共済等掛金控除証明は海外住所には送付されないので、国内所得があり所得控除の申告をする場合は注意が必要

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iDeCoを含む資産形成の悩みを解消できる方法は?


ここでは、iDeCoを含む資産形成の悩みを解消する、具体的な方法を紹介します。


iDeCoは国内での資産形成に有効ですが、海外移住を考えている場合は注意が必要であり、海外移住後には「iDeCoの税制優遇」をはじめとするメリットが享受できません。そのため、iDeCoだけでなく、複数の資産運用と合わせての計画が必要となります。


しかし、iDeCoと海外移住を両立させる資産形成プランを独自に作成するのは困難であり、時間をかけて「国や地域ごとに異なる資産形成の知識」を得る必要があります。独自の判断で立てたプランが最適とは限らず、将来的な機会損失のリスクも考えられます。


そこで、iDeCoと海外移住を含む資産形成の悩みを解消するには、マネーキャリア」のようなサービスを活用し、資産運用のプロへ「無料で何度でも」相談するのが必須です。


マネーキャリアでは、iDeCoや海外移住に関する相談はもちろん、総合的な資産形成の提案が可能です。満足度98.6%・相談実績80,000件以上の実績があり、LINEで簡単に予約ができるのも魅力的なポイントです。

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最初にアウトラインの解説、そこからフォーカスをあてていくご説明のアプローチがとてもわかり易かったのと、次回までにシミュレーションを作成いただけるご丁寧さにとても満足しました。

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まとめ:iDeCo(イデコ)(個人型確定拠出年金)は海外移住・留学しても続けられる?解約は?受け取りは?


この記事では、iDeCoを海外赴任・海外移住した場合の取り扱い、継続と解約の選択、解約の代替策、継続時の手続きを解説しました。


iDeCoは海外赴任・海外移住後も、条件を満たせば継続できます。ただし、解約は条件が厳しく難しいため、以下の点を考慮する必要があります


1. 継続か解約かの選択 

2. 解約の代替策として

・掛金の減額

・積立の停止 

3. 継続時の手続き

・必要書類の準備

・手続きの流れの確認

・注意点の把握


海外移住時のiDeCoの取り扱いは、個人の状況によって最適な選択が異なります。また、iDeCoは資産形成の一部である一方、海外での生活を考慮しながら適切な資産形成プランを個人で作成するのは困難です。


そこで、独断での判断による機会損失のリスクを避けるためにも、マネーキャリア」のようにiDeCoを含む資産形成全般の悩みを「無料で何度でも」相談できるサービスを活用する人が増えています。専門家のアドバイスを受け、適切な資産形成計画を立てられます。


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